• ホーム
  • 細菌が原因となるマイコプラズマ肺炎

細菌が原因となるマイコプラズマ肺炎

2019年11月23日

マイコプラズマ肺炎とは、気道や気管支などに発症する呼吸器感染症の一種です。
一般的な細菌性肺炎に比較すると重症化することが少なく、季節を問わず通年制に感染例が見られる傾向があります。
汗腺後症状が出るまでの潜伏期間が2-3週間と比較的長く、発熱・全身倦怠感・頭痛などの感冒様の初発症状が見られます。
長期間(3-4週間)にわたる咳が続くのが特徴で、初発症状が出て3-4日後から咳が出るようになります。
当初は乾いた咳ですが、経過するに従い徐々に咳は強くなり、解熱した後も長く継続するわけです。

全般的な経過は、頑固な咳程度で、頭痛や倦怠感などの風邪のような軽症で済む場合が多いわけですが、特に年長者や青年が発症すると重症の肺炎に発展することがあります。
特に三週間近く咳が続いた後に、再度発熱し呼吸困難もともなうようなら重症のマイコプラズマ肺炎の可能性があるのです。

マイコプラズマ肺炎の原因菌となるマイコプラズマは、自己増殖できる細菌の中では最小のサイズで、他の細菌と異なり細胞壁を持たないという特徴を持っています。
診察に当たっては、遺伝子や血液採取、X線画像診断などの検査法がありますが、結果が判明するまでに時間がかかり、正確性が高くないことから、マイコプラズマ肺炎の診察が下される前に、治療が開始されることもあるのです。

治療では抗生物質を投与することになりますが、マイコプラズマが細胞壁を有しないことから、細胞壁の合成を阻害するペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がありません。
そこで細菌のタンパク質合成を阻害するマクロライド系抗生物質のジスロマック等が有効です。

他方でジスロマックなどのマクロライド系抗生物質が奏功しない耐性菌のマイコプラズマも存在しています。
そのためジスロマックが効果を見せない耐性菌の場合にはテトラサイク系やニューキロノン系の抗生物質で治療されることになる訳です。
ただし8歳未満の小児ではテトラサイクリン系構成物資は歯を変色させる副作用があるので、薬の選択にあたっては慎重な判断がオススメです。

マイコプラズマ肺炎になる経路とは

マイコプラズマ肺炎の発症年齢の中心は、幼児期から学童期、青年期が中心です。
季節的に患者数に大きな変動が見られないことから、通年制の感染症とされています。
日本ではかつては4年ごとに流行が繰り返されていましたが、近年ではこのような傾向は見られなくなりました。

感染経路は、飛沫感染と接触観戦によりますが、濃密な接触が感染には必要で、インフルエンザほどに飛沫感染が伝播することは少なく、地域での感染拡大の速度は遅いと言えます。
年少者では遊戯などで身体的に濃厚な接触をもつことが多いおかげで、手指やもの・食品などについたマイコプラズマが主に口から入る接触観戦が感染経路となり感染が拡大していくのです。
感染拡大は教室や家庭など人が稠密に時間を過ごす環境でみられます。
通年性に発症が見られ、潜伏期間が2-3週間と比較的長期にわたることから、症状が出る前に感染が拡大するリスクもあるので、年少者があつまる施設では注意を払う必要があるといえます。

ところでマイコプラズマ肺炎は比較的合併症を多く発症する傾向があります。
代表的な合併症には、中耳炎や無菌性髄膜炎、肝炎・膵炎・心筋炎にギランバレー症候群などが知られています。
年少者のマイコプラズマ肺炎は軽い症状で経過することが多く重症化するリスクは低いといえます。
しかし年長者になるにつれて重症化や合併症のリスクも高くなる傾向が見られます。

最近では治療薬のジスロマックが効果を発揮しない耐性菌感染例も見られ、マイコプラズマ肺炎は決して軽視できない病気と言えます。
年少な子供はもちろんですが、大人でも風邪症状が治っても頑固な咳が継続するようであれば、マイコプラズマ肺炎を疑い病院を受診することをオススメします。